T.「最近の造船マーケット」について
- 造船市場は、世界同時不況の影響を受け、海運市況に回復の兆しが見えず、顧客の発注意欲が衰えていることから、昨年秋以降、新造船受注の低迷が続いている。
- 日本の2009年10月のCGT(標準貨物船換算トン数)ベースの輸出船契約実績(受注量)は5隻・14万CGT(36万GT)。本年(1〜10月)の累計は91隻・214万CGT(484万GT)。これは前年同期(2008年1〜10月)の受注量847万CGTを75%下回る。
- 受注動向だが、多少の引合いはあるものの、世界経済全体の回復が見込まれ、グローバルな海上荷動が活発化する兆候が明確に現れていない現状では、ここ暫く新造船の発注・契約が停滞することを覚悟せざるを得ないと考えている。本年の受注は、近年稀に見る低い水準となる見込み。
- 我が国の造船業はここ数年高水準の受注が続いたことと、また中国・韓国のようにキャンセルが多発する事態も生じていない。現在でも年間建造量の3年分に見合う手持工事を確保しており、当面の操業に全く心配していない。
- 「五極造船首脳会議(JECKU)」においても、世界各国の造船首脳の間では節度をもった経営を堅持すべきとの認識が共有されている。我が国の造船所は、発注いただいた船主の信頼に応えるため、現在の仕事を確実にこなすことが大事であると思っている。
U.「五極造船首脳会議(JECKU)」について
- 「五極造船首脳会議」は、10月28日(水)〜30日(金)の3日間、日本・韓国・欧州・米国・中国から史上最大の参加者(本会議参加者は95名、随行を含めると約120名)を得て、ドイツ・ベルリンで欧州が議長国となり、開催された。
- 今回の会議は、世界同時不況の影響から海上荷動きが減退し、新造船需要の低迷という厳しい環境下での開催となった。会議では、世界経済の環境変化と船種毎の造船市況、並びに将来の造船需要動向について活発な討議が行われた。
- 会議の最後には、会議参加者の共通認識を「議長声明」としてとりまとめた。「議長声明」の要点だが、世界の造船事業者は
@今次の経済危機によって持たらされた船舶の需給不均衡問題に対処するためには、市場原理に基づく慎重かつ規律ある新造船建造能力の調整が必要であること、
A需要の低迷による新造船受注獲得競争の激化が懸念されるが、経営が持続的に成り立つことを念頭において造船所運営を行うこと、
B公平な競争環境整備に向け情報・意見交換を積極的に継続すること、 加えて、
C今後の業界発展のためには、環境対応船舶の開発が必須でありIMO(国際海事機関)の国際規則強化への取組みを歓迎すること、などである。
- 次回の「五極造船首脳会議」は、来年(2010年)10月末に中国で開催される予定。
以 上
|