T.「最近の造船マーケット」について
- 日本の2009年11月のCGT(標準貨物船換算トン数)ベースの輸出船契約実績(受注量)は、13隻・20万CGT。本年(1〜11月)の累計は104隻・234万CGT。これは前年同期(2008年1〜11月)の受注量869万CGTを73%下回る。
- 造船市場は、昨年秋米国で発生した金融危機に端を発した世界同時不況の影響を受け、海運市況が大幅に落ち込み、昨年第4四半期以降、実質の新規商談が途絶えている状況が今年も続き、新造船受注が激減した。そのため、本年の受注は、近年稀に見る低い水準となる見込み。
- 一方、新造船の建造は、昨年までの数年間、高水準の受注が続いたことから、造船所の操業は活発で、今年の世界の新造船竣工量は史上最高となる見込み。
- 新造船の建造が順調に推移する中、受注量が減少したため新造船の手持工事量(受注残)は減少傾向だが、日本造船業は、向こう3年分に見合う仕事量を確保しており、当面の操業に心配はない。
- ただ、来年以降も、新造船の発注が今年のように停滞すると、造船所にとって深刻な事態を迎えるのではないかとの懸念も生じてきている。しかし、過去の世界経済を振り返ってみても、景気に山谷はあるし、また近年は、BRICs(ブリックス)等新興国の経済成長も期待できるので、市況は必ず回復し、海上荷動き量も上昇するものと確信している。
- 当面、新規商談は僅かであることは覚悟しなければいけなが、造船事業に携わる我々は、新規受注をめぐって過当競争に陥ることなく、経営に取り組むことが大事であると考えている。
- このような状況の下、我が国の造船所は、船主の信頼に応えるため、現在の仕事を着実にこなしていく。また、更なるコストダウンに励み、加えて、常に世界水準の一歩先を目指した省エネ・環境を重視した高性能の船舶開発に取り組み、競争強化のための自助努力を続けていく所存である。
U.この1年を振り返って
- 一言で総括すると、今年は、昨年の米国発のグローバルな金融危機による影響が尾を引き、海運・造船マーケットが極端に落ち込んだ年だった。来年も造船業にとっては、受注面で相当厳しい我慢の年となることが予想される、幸い当面の工事量は確保しているし、決算的には鋼材価格も落ち着いてきており、業績的には手応えを感じる年となると思う。
- 来年の日本造船業は、次の飛躍に備え、焦らず、慎重にマーケットを見極めながら、経営基盤や技術基盤を強固なものにする絶えまぬ努力を続行していく。関係の方々のご理解ご協力をお願いする。
以 上
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