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会長会見 (2010年11月16日)


 T.「最近の造船マーケット」について
  1. 日本の本年(2010年1〜10月)の輸出船契約実績は、409万CGT。これは前年同期(2009年1〜10月)の受注量214万CGTを、91%上回る。

  2. 一方、新造船受注に回復の兆しが見え始めてきたとはいえ、2008年に急落した新造船の船価は、底を打ち、若干の値戻しがあるが、鋼材をはじめ資機材価格等のコスト動向が不透明な現在、満足できる水準に達しておらず、今後の見通しについても予断を許さない状況にある。

  3. 加えて、今年の夏以降現在も円高で推移している為替相場は、日本造船業にとってコスト競争力において韓国、中国よりも不利な状況となり、各社とも受注に苦慮している状況である。

  4. このような困難な状況にあっても、今のところ、日本の造船各社は、ほぼ3年分の手持ち工事量(受注残)を確保しており、焦って受注を進めるような状態には、未だ至っていない。しかし、このような状況が今後も続くようだと、中には限界に達してしまいそうだとの声も聞こえてくる。

  5. 前回の会見でも申し上げたように、造船業を始め、日本の製造業の国内操業を維持するために、円高対策については、政府をはじめ関係当局が有効な施策をとるよう、切に望んでいる。

  6. 現状、円高対策など克服すべき困難な経営課題は幾つもあるが、造船各社は、環境問題に直結する燃費効率の向上を図るために、船型やエンジンの技術開発を一層推進し、現行水準より一歩先んじた環境性能の高い船舶の開発を、最近次々と発表している。日本造船業は世界造船市場において決して量を追うのではなく、環境面での優位を全面に押し立てた営業戦略を指向していかなければならないと考えている。



U.「JECKU造船首脳会議」について
  1. 今回で19回目となった「JECKU造船首脳会議」は、10月27日から29日の3日間、日本・欧州・中国・韓国・米国から史上最多の参加者(本会議参加者は125名、首脳夫人・随行者を含めると141名)を得て、中国の江蘇省(こうそしょう)・南通市(なんつうし)で開催された。

  2. 今年は世界経済が回復の兆しを見せつつあり、新造船需要にも底入れ感が見られる中での開催となった。

  3. 会議では世界の経済環境と船種ごとの市況、将来の新造船需要や建造能力、環境問題など多岐に亘って、活発な討議が交わされ、最後に「議長声明」として、会議出席者の共通認識をまとめている。

  4. 「議長声明」の概要は、

    @ 世界経済は回復基調にあり、造船業も最悪期を脱却しつつある
      ものの、世界経済には依然不確定要素が存在することから、
      造船業の本格的な回復にはしばらく時間がかかること

    A 材料価格は今後高止まりするという見通しと、現在の米ドル安が
      造船業の収益力に大きな影響を与えていること

    B 燃費の悪い船舶などが市場から撤退することが高性能船舶の
      需要に繋がることから、造船業界が品質や技術の向上を通じて、
      世界的な環境保護の取り組みへ貢献することに合意したこと

    C 造船業界は、共同で海運業界に対し、大気汚染物質や水質
      汚染物質の排出削減が可能な先端技術の採用を呼び掛けること
      などである。

  5. また新造船建造能力に関して、一部出席者より過剰な建造能力が造船・海運市況の本格的な妨げとなりうるとの懸念が示された。


  6. 次回の「JECKU造船首脳会議」は、来年10月末に韓国・済州島で開催される予定である。

以  上



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