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会長会見 (2011年12月20日)


 T.「最近の造船マーケット」について
  1. 日本の本年1〜11月の受注量は、375万CGT(標準貨物船換算トン数)となりました。これは前年同期の受注量438万CGTと比べると14%の減少です。円高、ウォン安の為替の影響等から韓国の受注量に比べ大差がついています。

  2. 世界の新造船竣工量は、前年に引き続き1億総トン規模と予想され、船腹過剰状態は更に拡大する見込みにあります。従って、造船マーケットは一段と悪化しており、船価の下落、独ジータス社等企業の撤退といった動きが出てきている状況です。

  3. 需要の低迷に歴史的円高が加わり、日本造船業を取り巻く受注環境は極めて厳しいという認識にあります。手持工事量の差異など各社毎に事情は異なるため、具体的な対応は個々の企業の経営判断となりますが、日本造船業の基本的な姿勢として、省エネ技術等の技術力を発揮し適正価格での受注を目指すという姿勢に変化はありません。

 U.「今年の造船業界のトピックス」について
  1. 今年最大のトピックスは、世界の造船マーケットが一段と厳しさを増したということであります。1億トン規模の高水準の竣工が継続しており、需給不均衡は更に拡大し、これに歴史的な円高の影響も加わり、日本造船業の受注環境は一段と悪化しています。

  2. 明るい話題としては、国際協力銀行(JBIC)による先進国向け船舶融資が実現したことが挙げられます。造船工業会がかねてより関係方面に要望していたもので、本年5月に株式会社国際協力銀行法が成立したことで、船主に対するファイナンスのオプションが拡大し、受注面でのプラス効果が期待され、既に何件か実績が出ております。

  3. 明るい話題の2番目としては、国際海事機関(IMO)において国際海運における世界初のCO2排出規制の導入が採択されたことです。2013年1月から規制が義務付けられるため、日本造船業が得意とする省エネ技術力を発揮できる環境が整備され、あわせて関水康司氏がIMOのトップに就任することで、リーダーシップを発揮しIMOの動きが一層加速されることを期待します。

 V.「来年に向けての基本スタンスと政府への要望」
  1. 世界経済の先行きが不透明な中、海運・造船マーケットは来年も厳しい状況が続くものと予想している。各社ばらつきがあるものの、今なお2年程度の手持工事量を抱えているという現実を踏まえて、適正価格での受注努力、更なるコストダウンの追求、新技術開発の推進に邁進し、これらにより、経営基盤・技術基盤の強化を図り、この難局を乗り切っていく所存であります。

  2. 政府への要望としては、円高是正への実効ある対策、海洋基本法及び同計画に基づく海洋開発の促進、艦船の建造基盤維持のための適切な対策、再生可能エネルギー、特に洋上風力発電の導入促進に向けた社会環境整備をお願いしたい。

 
 この1年を振り返って(造船業界を巡る動き)
  2011年12月
○東日本大震災発生 (3月)
  • 東北地方の造船所が被災、関東地方の会員会社が計画停電に対応

  • 造船業界としての復興支援策を提示



○超円高が続く、一時史上最高値75円台を記録
  • 円の高止まりにより、造船業をはじめとする輸出産業に打撃



○世界の新造船竣工量、昨年に続き1億総トン規模に
  • 高水準の竣工が継続、船腹需給ギャップが拡大



○国際協力銀行(JBIC)の船舶融資拡大 (5月)
  • 株式会社国際協力銀行法が成立

  • 先進国向け案件にも融資が拡大



○国際海運における世界初のCO2排出規制の導入 (7月)
  • 国際海事機関(IMO)で海洋汚染防止条約の一部改正案が採択

  • 新造船へのエネルギー効率設計指標(EEDI)の導入等が2013年1月から義務付け



○第20回JECKU造船首脳会議が韓国・済州島で開催 (10月)
  • 造船業界として、IMOで議論されている環境保護規制を歓迎

  • 環境に優しく技術的健全性を有する船舶の開発に向け努力していくことで合意



○国際海事機関(IMO)の事務局長に関水康司氏が就任へ (11月)
  • 日本人として初、IMO総会で任命承認、2012年1月1日より正式に就任



○造船用鋼材の内外価格差について、鉄鋼連盟に対し是正を要望



○人材確保・育成対策を着実に推進
  • 技術者には「造船技術者社会人教育」で、技能者には「造船技能研修センター」で、教育・研修を実施
* 「造船技術者社会人教育」:本年度は349名が受講、受講生は
延べ2,296人
* 「技能研修」:全国6地域の技能研修センターで開講、受講生は
延べ3,317人


○釡 和明 氏(IHI社長)第33代日本造船工業会会長に就任 (6月)

以  上



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